おじさん同士の恋愛を描いたラブコメディドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が好評だ。とくに女性から高い支持を集めているという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその理由について解説する。
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ネットのSNSから雑誌の識者コラムまで、各所で「今期No.1」という声を聞く『おっさんずラブ』。よく見ると、それらの大半は女性であることに気づかされます。
たとえば、ドラマ識者では、『週刊新潮』で吉田潮さん、『週刊ザ テレビジョン』でカトリーヌあやこさん、『日刊スポーツ』(梅ちゃんねる)で梅田恵子さん、『日刊ゲンダイ』で桧山珠美さんらテレビ番組の連載を持つ女性コラムニストがこぞって絶賛しました。
また、先日、私が共演した『フジテレビ批評』(フジテレビ系)の「春ドラマ放談」では山中章子アナと久代萌美アナも同様の絶賛。さらに、ネットを見渡しても、女性がターゲットのサイトを中心に、当作をほめたたえる記事が目立ちます。
そもそも『おっさんずラブ』は、昨年秋にスタートしたばかりの深夜枠『土曜ナイトドラマ』(毎週土曜23時15分~)の作品であり、一般的には「『SmaSTATION!!』のあとってドラマ枠だったの?」というレベルの認知度に過ぎません。前2作がほとんど話題になることなく終了したことを踏まえても、「いかに当作の反響が大きいか」がわかります。
盛り上がりを見せる一方で、「なぜ女性にウケている?」「なぜLGBT関連の苦情はほぼ聞かない?」などは、まだあまり分析されていません。
◆気持ちの面では男女恋愛と変わらない