女性の社会進出が進む中で、子どもを産まない道を選ぶ女性も増えている。大人ライフアドバイザーで、著書『誰も教えてくれなかった子どものいない人生』(主婦の友社)が話題になっているくどうみやこさんにその背景を聞いた。
くどうさんの調査によると、子どもを産まない最も多い理由の1位は「タイミングを逃した」(34.1%・複数回答可・以下同)だった。2位は「病気による体の事情」(29.4%)。実に、3割近くにのぼった。
その大半は、子宮や卵巣の重大な病気になってしまった人、男性不妊の原因の1つ・無精子症の人など、自分ではどうすることもできない体の事情で、例え医療の力を借りたとしても、妊娠出産することが望めない人たちだ。
「妊娠を喜んだものの、同時にがんが見つかり、授かった子供も子宮も、諦めざるを得なかった」(32才・会社員)、「不妊治療を始めようと検査をすると、夫が無精子症だとわかった。精巣を調べても精子は見つからず、夫の血を引く子供を作るのは不可能だと諦めた」(38才・パート)などに加え、「抗がん剤治療の影響を考え妊娠を断念した」(38才・主婦)といったケースや、心疾患などから出産に耐えられないのではと妊娠を躊躇した人もいる。くどうさんはこう語る。
「私自身、42才で産めないことが確定した当時、気持ちは落ち込み、身動きが取れなくなってしまいました。年齢を重ねている私でさえそうなのだから、もっと若ければ“産めない”事実に絶望したでしょう。病気になったことよりも、子供を産めなくなる方がつらいと、嗚咽する女性を目の当たりにしたこともあります」
その一方、どうやっても無理だとわかったことで、子供がいない人生をいち早く受け入れられた人もいる。
「未婚未産で乳がんになり、もう結婚や子供を持つことは叶わないと絶望していた人が、がん発症後に結婚して、子供がいなくても夫婦で仲よく暮らす先輩と出会い話を聞くうちに、“こんなにイキイキと輝いていられるのか”と、パワーと勇気をもらい、生き方が前向きになったというケースもあります。同じ境遇で、目標となるようなロールモデルを見つけることができれば、ここで人生は終わりではないという気づきにつながり、先が明るく開けていくのです」(くどうさん)
※女性セブン2018年5月31日号