新潟市西区の線路上で小学2年生の大桃珠生さん(7)の遺体が見つかった事件で5月14日、小林遼容疑者(23)が死体遺棄などの容疑で逮捕された。日本中が注目した凶悪事件だが、逮捕までの1週間で、現場ではその存在を報じられない“別の被害者たち”が生まれていた。
当初、メディアから最も“有力視”されたのが地元の銀行に務めるA氏。社員寮で唯一の独身者だったことや、夜中まで部屋から灯りが漏れていたこと、銀行が寮の駐車場を警察に提供していたことなどから憶測が先走ってしまったらしい。だが、“犯人扱い”されたのはA氏だけではなかった。
「サングラスの男」という目撃談から浮上したのは近所に住む中年男性B氏だ。普段からサングラスをかけて外出していたB氏には、報道を見た近隣住民から「あの人ではないか」と疑いの目を向けられたという。
「そうした情報を耳にしたある社の記者が、事件現場近くを歩いていたB氏に話しかけた。そこでB氏が応対すると、近くにいた他の記者もわらわらと集まって取り囲む状態になってしまった。B氏も事件への関与は否定しながらも戸惑った応対をしたために『〇時頃(犯行時間)は何をしていたんですか』と犯人扱いするような質問をする記者までいた」(現地で取材した記者)
「白いワゴン」情報も、様々な人に疑いをかけた。
「県警は当初から『白いワゴン』証言については重要視していないようでしたが、犯行時刻に見たという証言があったために追い続けているメディアもいました。ワイドショーのカメラが、検問の場所で白い車が止められる度にカメラを回して画をおさえる、ということもしていた」(同前)