海外セレブがブームに火をつけ、異なる犬種をかけ合わせた「MIX犬」の人気が急上昇している。マルチーズ×プードルの“マルプー”やチワワ×ダックスフンドの“チワックス”などが存在するが、犬以外の動物界にも両親の種が異なる“雑種”は存在する。それらは「ハイブリッド・アニマル」とも呼ばれ、犬の雑種とは根本的に違うと動物行動学者の新宅広二さんは言う。
「犬は、犬種により見た目が違うので、かけ合わせると別の生物に見えますが、生物学的にはすべて同じ1つの種。MIX犬同士で子供も産めるため、人工的にかけ合わせなくても、自然に犬の雑種は生まれます。
しかし、ライオンやトラなどは、種によって染色体の数が違うので、人工的にかけ合わせないと誕生せず、ハイブリッド・アニマル同士で、子供が産めません」(新宅さん、以下「」内同)
シマウマ×馬の「ゼブロイド」やライオン×トラの「ライガー」などが誕生している。だが、ハイブリッド・アニマルは、精子や卵子ができず、子供をつくる能力が備わっていないので一代限りの命だという。
「これらの動物は、サーカスや動物園などで“珍獣”として展示されるため、人に“作られた”んです。しかし、倫理的に問題があると、20世紀後半から、世界的に自粛傾向に。今や日本では、見ることもできません」
ところが近年、動画投稿サイトなどのネタ作りで、意図的に生み出そうとする人が現れ、問題となっている。
「現在、取り締まる法律や罰則などはありません。しかし今後は、種を守るためにも、規制が進むかもしれません」
※女性セブン2018年5月31日号