2番に最強の打者を置け──メジャーでは、そんな“常識”が定着しつつある。
「一昨年のWシリーズを制したカブスは、チーム最多の39本塁打を記録したクリス・ブライアント(26)が2番に座り、打率.292、102打点でチームを世界一に導いた。このシーズンは、MLB30球団のうち13チームの2番打者が20本以上のホームランを打ち、打順の常識が変わったことを印象づける年となった」(MLB研究家の福島良一氏)
この新潮流の象徴的存在が、大谷のチームメイト、マイク・トラウト(26)だ。2012年、カージナルスからスラッガーのアルバート・プホルス(38)がFAで加入した際、エンゼルスのソーシア監督は前年に19歳でMLBデビューしたトラウトを2番に固定した。この年のトラウトはMLB史上最年少で30本・30盗塁を達成。以来、“不動の2番”となっている。
「メジャーでの2番打者の“条件”はホームランを打てる長打力に加え、ボールの見極めがよく出塁率が高いこと。ヤンキースも昨年、新人のメジャー記録となる52本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(26)を2番に固定しているが、昨季の出塁率を見るとトラウトが.442でリーグ1位、ジャッジは.422で同2位となっている。ジャッジの選んだ127四球はリーグ最多の記録です」(福島氏)
日本以上にデータ重視のMLBにあって、2番に“出塁率が高いスラッガー”が配されることには、統計的な裏付けがある。プロ野球データに詳しいジャーナリストの広尾晃氏はこういう。