およそ3組に1組は離婚している現代日本(厚生労働省の『人口動態統計の年間推移』2015年より)。たとえ結婚しても、夫婦生活を円満に続けていくのは至難の業だ。うまくいく夫婦と、そうでない夫婦の差は一体どこにあるのか。そこで、本誌・女性セブン読者474人に夫婦生活に必要な要素を聞いたところ、「ルールが必要」と答えた人が87%にものぼった。それでは、どんなルールが必要なのか、円満家庭の礎を築く「夫婦の掟」をリサーチした。
読者による「セブンズクラブ」の会員474人に「円満な夫婦関係を築くには“ルール”が必要か?」との質問をしたところ、「必要」答えた人が87%だった。しかし、「夫婦間にルールはある?」との質問で「はい」と答えたのは47%。どうやらルールは必要だと思っていても、実際にルールを設定しているわけではないという夫婦も少なくないようだ。
ルールが必要なものの作らなかった人の理由として多かったのは、「作っても、どうせ守ってもらえないから」というもの。あきらめだ。
もし、相手の反対などでルールを決めるのが難しい場合は、きっちり決め込まず、気軽に守れるような簡単な“約束”を少しずつ増やしていくのも手だ。社会学者の田中俊之さんはこう語る。
「ルールを厳しく決め込むと、それに縛られ、夫婦で監視し合う雰囲気になってしまいます。ルールを守ることが原因で夫婦関係が破綻してしまうこともあるんです」
ルールに疲れ、“家の外”に安らぎを求めてしまっては本末転倒だ。ルールの有無は諸刃の剣なのだ。
「夫婦は互いに受容し合う気持ちを持つことが大切。ルールの根底にあるのは、相手を敬う気持ちなんです」(田中さん)
夫婦間のルールの存在意義は、信頼関係をよりよくするためと覚えておこう。
◆2大ルールは「干渉しないこと」「コミュニケーションを取ること」
一方、夫婦間でルールを設けている人のうち、実際に守っている人の割合は86%と高く、決めたら守る、守っているから円満な関係でいられる実状が見えた。
さらに、夫婦のルールには、共通点があることもわかった。それは、「お互いに干渉しすぎない」「多少無理しても毎日コミュニケーションを取る」という考えが根本にあることだ。
これに反し、「そんな当たり前のこと、言わなくてもわかるでしょ」という考えのもと、ルールを設けないのは、50代以上に多く、それ以下の世代は、家事分担に至るまで、細かくルールを決める傾向にあることもわかった。
女性問題に詳しいコラムニストの川崎貴子さんは、熟年夫婦は、本心ではルールを決めたいと思っていても、長年の習慣でもう手遅れと思っているケースが多いと語る。
「肉体と働き方の激変期にある熟年夫婦こそ、“ルール”を決めることで夫婦関係を再構築するチャンス。ルールを破るのは夫側が多いようですが、定年後は夫婦ふたりの生活が長くなるわけですから、夫も考え方を改める可能性が高い。新たにルールを決めることで、これからの夫婦関係に変化があるかもしれませんよ」(川崎さん)
※女性セブン2018年6月7日号