男の名は郭文貴。中国で政商として莫大な財をなすも、権力闘争の余波を受け、摘発対象に。2014年、粛清前に米ニューヨークに身を寄せた。 中国共産党の暗部を知ることから、習近平が今も動向に気をもむ男である。 国際情報誌SAPIOが郭氏に連載を申し込むと 快諾。そしてひと言──。「中国政府に巣食う盗国賊をぶっ潰すためなら」。中国共産党激震必至のリポートである。
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日本のみなさんこんにちは。私が郭文貴だ。
今年3月に発表された中国憲法の改正(注1)、王岐山(注2)の国家副主席への就任、そして今後の日本が置かれる立場について私見を述べさせていただきたい。
【注1/中国憲法は今年3月に改正された。国家主席と国家副主席の任期規定を削除して習近平の事実上の終身独裁を可能にした点、全公職者の汚職を取り締まる「国家監察委員会」を憲法上の機関として設立することなどが定められた。】
【注2/王岐山は習政権第1期に党紀律検査委のトップとして辣腕を振るった。郭文貴の「宿敵」。政権第2期でも国家副主席に就任して権力を維持。】
まずは今回の改憲だが、実に不当と言うよりほかなかった。習近平と王岐山は、政権のスローガン「中国の夢」が、自分たちが一生引退しないことでこそ実現できると思い込ませようとしている。彼らが目指すのは、全共産党員のみならず、中国の全国家・全国民を政治・経済などのあらゆる面で党の指導に従わせること。すなわち習近平と王岐山の指導に従わせることである。