国際情報

中国大手保険会社元会長 1.2兆円詐取で懲役18年の判決

中国の詐欺はスケールが大きすぎる

 中国・上海の中級人民法院(地方裁判所に相当)は5月中旬、中国の大手保険会社、安邦保険集団の呉小暉・元会長氏に対して、詐欺と職権乱用の罪で懲役18年の実刑判決を下した。さらに、呉氏が投資家から652億元(約1兆2000億円)を詐取したとして、呉氏の個人資産105億元(約1800億円)の没収を命じたことが分かった。いずれも過去最高の記録的な額となった。

 呉氏は浙江省温州市郊外の農家の家に生まれ、高校卒業後、隣町の平陽県工商局に入ったが、1990年代に公務員を辞めて、手提げバッグの製造・販売商売を始めた。

 その後、結婚したが、その相手が同省杭州市長の娘だった。そのコネを生かして、浙江省寧波市で自動車販売を始め、大きな業績をあげ、中国の10大元帥の1人で、元上海市長だった陳毅将軍の息子と知り合った。その縁で、トウ小平一族に食い込み、トウ小平の孫娘と知り合って、妻と離婚した後、結婚した。

 呉氏は中国の名門家族の一員となり、その血族の影響力をバックに、ビジネスを拡大し、保険業界に進出した。

 中国国営新華社通信など政府系メディアによると、呉氏は安邦集団やその子会社に対して、財務諸表の改竄を指示し、業績が上がっているようにみせかけ、保険監督当局から高利回りの投資型保険商品の販売許可を得た。それを使って、呉氏は投資を募り、652億元(約1兆2000億円)の資金をだまし取ったという。これにより、呉氏は安邦集団の事業拡大に成功し、わずか10年の間に業界2位の企業に急成長した。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン