芸能

豊川悦司 朝ドラでの巨匠漫画家役で「56歳の魅力」が躍動

豊川悦司の熱演も光る『半分、青い。』(公式HPより)

 地位や権力が人を魅力的に見せるとは限らない。愛される「おっさん」でいることは相当難易度が高い。ただ、モデルがいないわけではない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
「おっさんの可愛さ」「カワイイおぢさんの魅力」。それを発見できたことが、今期のドラマにおける最大の収穫かもしれません。

『おっさんずラブ』(テレビ朝日系土曜午後11時15分)は主演・田中圭。彼に恋するヒロイン(?)に吉田鋼太郎、その恋敵に林遣都。おっさんらが繰り広げる爆笑純愛物語にWebでは話題が集中。「かわいい」と大評判をとる黒澤武蔵役の吉田剛太郎。公式インスタグラム・裏アカウント『武蔵の部屋』フォロワーは40万人に迫る勢いで、「コンフィデンス」「視聴熱ウイークリーランキング」の満足度調査や視聴熱調査でも堂々1位を獲得しました。

 自慢ではありませんが、このドラマの魅力については開始時に直感し、一早く4月28日の当コラムで触れました。ですので今回はもう一人の真打ち、今躍動している「カワイイおっさん」について触れたいと思います。

 それは、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で鈴愛(永野芽郁)が弟子入りした巨匠漫画家・秋風羽織を演じている豊川悦司さん。

 秋風羽織という漫画家は、漫画に対してとことん真摯で妥協しない人気作家。名前から女性を想像するけれど、その正体はかなり風変わりな偏屈おやじ。犬とウサギだけを愛し、ロン毛、サングラス、黒装束で身を固め五平餅が大好き。風貌はどことなく佐村河内某を連想させるものが……。

 ヒロイン・鈴愛を事務所に雇うことにした秋風。ですが、あくまで「メシアシ(飯作りのアシスタント)」として。鈴愛の漫画の才能については、評価ゼロ。むしろ「岐阜のサル」「五平餅要員」と呼び捨てて相手にせず。中途半端な情状酌量が皆無で冷淡なところも秋風の魅力であり爽快さかもしれません。

 鈴愛を相手にしない一方で、美しい男には目が無い。鈴愛の幼なじみ、律(佐藤健)を「タジオ」と勝手に名付けてクロッキーのモデルに採用……と破天荒きわまりない秋風先生。ちなみに、タジオとは『ヴェニスに死す』に登場する貴族の美少年の名前です。そう、秋風羽織は、まさか現実にはありえないような虚構的人物なのです。

 ファッションから言葉使い、身振り手振りまで、ふざけたキャラクター。それを徹底して役作りして演じ切っている役者・豊川悦司のパワーは凄い。ありっこないものを、ありそうに変えてしまう演技の力にアッパレです。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン