「これで我慢しよう」なんて、コンビニ飯がわびしさの象徴のように思われていたのは昔の話。洋食あり、和食あり、創作料理あり。今のコンビニの売り場には、ちょっと高めな価格帯の惣菜が増えている。頭角を現した高級路線の顧客ターゲットは? コンビニ記者の吉岡秀子さんが大手3社の人気商品から、コンビニデリカのトレンドと消費動向を探った。
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「○○に、ごほうび──リニューアルしたセブンゴールドのコンセプトを、こう表現します」
と、セブン-イレブン(以下セブン)商品本部 FF・惣菜部 デリカテッセン シニアマーチャンダイザーの羽石奈緒さんは言い切った。
5月上旬に都内で行われた「セブンプレミアム ゴールド」リニューアル試食会での1コマだ。○○は「わたし」だけでなく、「子ども」「お父さん」など、家族みんなを含めた多彩な言葉を想定しているという。“個食”に強いといわれてきたコンビニにとって、従来とは少し路線の違うコンセプトだ。
リニューアルしたのは「セブンプレミアム ゴールド」の「金の直火焼ハンバーグ」(386円)、「金のビーフシチュー」(386円)など4品。2010年の発売当初から売り場に並ぶロングセラーだから、知っている人は多いだろう。
「セブンプレミアム ゴールドはセブンの最上級ブランド。常にブラッシュアップさせ、今回で実に8回目のリニューアルとなりました。専門店にも劣らない高品質に仕上げることができたと思っています」(羽石さん)
ハンバーグを例にとると、黒毛牛肉(アンガス種)を使っており、脂の多い部分はミンチに、赤身部分は丁寧にそぎ切りするなど、部位ごとにカットの仕方を変更。ゴロッとした“肉々しい”食感が楽しめる。デミグラスソースには黒トリュフを使用したとあってコク深い味わいに。確かに専門店並みの味だ。
だが、ふと思った。コンビニにしては高価な約400円のおかずが、なぜ売れ続けているのか──じつはセブンが「ゴールド」の買われ方を分析した結果、いくつかの新たな傾向も見えたという。