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中国人男性が「ぼったくり手術」に払ったカネを取り戻すまで

手術台の上で費用の上乗せを切り出された

 信頼は人間関係の基本であるがゆえに、裏切られた時のショックは大きい。それが医療現場での「ぼったくり」ともなれば尚更である。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * 
 想像するだけで恐ろしい。中国の古都・西安に住む張さんは、現在23歳。独身の男性だ。彼には以前から体のことで小さな悩みがあった。

 それは自身が包茎であるということだ。地元を離れ西安で働き、多少の貯金もできたので、医者に相談してみようとネットで病院を探していた。目に付いたのは市内の西安華仁医院という包茎手術で評判だという病院だった。

 早速、ウィチャットを通じてやり取りを行うと、病院の曹と名乗る医師は、「あなたの問題はそれほど複雑だとは思われませんので、簡単な手術で済むでしょう。今ちょうど大キャンペーンを行っていて、検査をたった129元(約2200円)で受けられます」と言われ、張さんもその気になったという。

 その後、詳しい問診があり曹医師は「20年以上の経験のある医師が執刀するので何も心配ない」と手術を勧めた。張さんは費用が心配だったので尋ねると、「手術代は数百元でかかっても千元(約1万7000円)程度」という答えが返ってきたので、ひとまず安心して手術を受けることにしたという。日時は4月29日午後2時に決まった。

 だが、あろうことか張さんが手術台に横たわり、まさにこれからメスを入れるという段になると、医師がにわかにこう切り出した。

「あなたのケースは患部に炎症が起きていて、処理をしなければ今後、性器に機能に悪影響が及びます。また神経が外部に露出気味で、放置すると早漏になる可能性が高い。そうしたものまで含めると、手術代はプラス1万2100元(約20万6000円)になる」といわれ、同意書にサインさせられたというのだ。

 こうなればまな板の上のコイである。しかたなく手術をして費用を払って帰ってきたが、何とも後味が良くない。

 そこで後日、病院とかけあったが、病院側も頑として自らの主張を曲げない。収まらない張さんは『華商報』に連絡してこの問題を取り上げてもらうことにした。すると病院もやっと、追加費用の1万2100元を返金したのだった。

 顛末は『華商報』が5月3日付で報じている。記事では、〈包茎手術で費用が3500元(約6万円)を超えるケースは絶対の怪しい〉との専門家のコメントを載せている。

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