国内

認知症予防には歩こう 加齢で縮小する海馬に影響与える

ウオーキングには海馬を大きくする効果が

「認知症は治らない」と恐れられる一方で、診断された後も日常生活をこなし、少しの支援を受けながら人生を楽しむ人もいる。国内外で認知症研究が進む今、私たちはどんな対策をすればよいのか。東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典さんに聞いた。

「そもそも認知症は病名ではありません。原因となる病気などにより“脳の働きがある一定のレベルまで低下し、生活に支障が出て来た状態”を認知症と呼ぶのです」と、藤原さん。

 認知症の原因として多いのはアルツハイマー病、脳梗塞や脳出血などの脳血管の病気、レビー小体病などがある。

「日本人にもっとも多いアルツハイマー病は、脳にアミロイドβなどのたんぱく質がたまり、神経細胞が縮んだり減ったりします。アミロイドβは加齢により誰でも増えるものですが、これが急激に増えるのがアルツハイマー病。

 多くの人が認知症の原因になる病気にかかる可能性はありますが、病気がゆっくり進めば認知症まで行かない場合も。つまり、生活にさほど支障が出ないこともあるのです。原因の病気を完璧に防ぐことは難しいのですが、できるだけ進行を緩やかにし、軽度にとどめることは可能。いわばこれが重要な予防です」

 予防法は次の2つ。両方とも実践するのがよいという。

【生理的予防法】
■ウオーキング(有酸素運動)
歩幅を広めに速歩きで。1回15~30分。週2~3回
■食習慣(バランスよく)
野菜、果物、魚、ワインなどがおすすめ

【認知的予防法】
■知的活動習慣
読書、文章を書くなど
■対人接触
外出する、人と話すなど

「生理的予防法は、脳細胞をしっかり新陳代謝させ、充分に栄養を送り込み、細胞自体を元気にしておくこと。ウオーキングは血流をよくし、アミロイドβなどを分解する酵素や、壊れた神経細胞を再生する栄養因子が出るという研究データもあります。

 さらにアメリカのピッツバーグ大学が行った研究では、一般に加齢とともに縮小する海馬(記憶をとどめたり新しいことを覚える機能を司る部位)が、ウオーキングをしていた人は大きくなったという結果も。

 認知症予防としては、歩く歩幅も大切。歩幅が狭い人は広い人より5.8倍も認知機能の低下リスクが高まるという研究結果もあります。目安としては、横断歩道の白線を余裕でまたぎ越す歩幅を維持できれば大丈夫です」

 また認知的予防法は、社会参加や人とのコミュニケーションがキーになる。

関連キーワード

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン