連日、満員御礼となった大相撲5月場所。国技館では先場所までなかった“異変”が起きていた。9日目、午前10時過ぎ。まだ序二段の取組とあって、国技館内は観客もまばら。
そうしたなか、物言いがついた一番の審議のため土俵に上がった貴乃花親方は、写真のような“鬼の形相”を見せた──。
気合いが入るのも当然かもしれない。客もまばらな時間帯であっても、2009年以来となる「審判・貴乃花」が登場すると“タカノハナァ~、頑張れ!”の声がかかる。
「初日から弟子の貴ノ岩(十両11)、貴源治(十両8)が隣に座る絵面をメディアが追いかけ、物言いで土俵に上がれば大歓声。幕内の取組ではビデオ担当を務め、勤務時間はしめて9時間ほど。3月場所での“欠勤問題”や役員室に顔だけ出す“3分勤務”と比べると大違い」(ベテラン記者)
前代未聞の“5階級降格”と、一連の騒動の懲罰人事の意味合いにも見えた審判部配属だが「若い記者が張り付くなど、大関獲りの栃ノ心より注目されていた」(同前)という状況だった。
※週刊ポスト2018年6月8日号