「日本初の女性宰相」と称されることもある野田聖子総務大臣。保守の政治家としても知られるが昨今は別の捉えられ方もされているという。文筆家・古谷経衡氏が野田氏に直球の質問をした。
古谷:近年、稲田朋美、片山さつきに代表されるような女性議員の右傾化が顕著です。保守、もっと言えばネトウヨが喜ぶフレーズを平然と口にする。野田大臣は、彼女たちをどのように見ていますか。
野田:それは、選挙の事情じゃないの? たとえば、私や小渕優子さんなんかは祖父、父の代から引き継いだ選挙基盤があり、一定の支持者がいるという強みがあります。でも、選挙基盤がしっかりしていないと、支持者を獲得する必要に迫られるんじゃないかしら。
古谷:当初は私もそう考えていました。支持者への恩返しや損得勘定で右を選んでいるのではないかと。でも、丸川珠代や三原じゅん子らの発言を知ると、損得ではなく、心底そう考えている節があります。
野田:自民党は古式ゆかしい政党だからねぇ。保守的な発言をしている分には居心地がいいのでしょう。
古谷:そういう意味では、大臣は、ネトウヨから目の敵にされています。
野田:でも私も保守なのよ(苦笑)。家族を大切に思っていますし、祖父の友人が靖国神社に祀られていたから幼い頃からお参りに通いました。保守としての考え方が身体に染みこんでいるから、わざわざひけらかす必要がないだけです。
【PROFILE】野田聖子(のだ・せいこ)/1960年生まれ。福岡県北九州市出身。祖父は野田卯一(元経済企画庁長官)。ミシガン州ジョーンズヴィル・ハイスクール卒。上智大学外国語学部卒。1983年、帝国ホテル入社。岐阜県議を経て、1993年、衆院選(旧岐阜1区)にて当選。小泉内閣で郵政大臣、安倍内閣で総務大臣に。現在は、次期首相候補の一人。
※SAPIO2018年5・6月号