仮に伴侶と共に受けることになったら「緊張」を強いられるのは間違いないだろう。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。
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大学入試から昇進試験、運転免許に各種資格試験など、世の中には様々な試験があふれている。だが、「離婚試験」などと言われて、すぐにピンとくる者はいないだろう。5月23日付『人民日報』によると、まさに離婚試験なるものが中国に登場したというのだ。
中国でも近年、離婚する夫婦が増え、そのことがちょっとした社会問題にもなっているのだが、これもそうした傾向への一つの対処法なのかもしれない。
試験を取り入れたのは、江蘇省の東海民生局。導入の目的は、離婚を考えている夫婦が本当に修復不可能なのか否かを判断することだという。
試験の設問は、「妻(もしくは夫)の誕生日は?」、「結婚記念日はいつ?」、「子供の誕生日は?」、「妻の好きな食べ物は?」、「これまで夫婦(もしくは家族)で何度旅行に行ったか?」といった簡単な穴埋め問題が10問。これが各4点。
続いて簡単な記述問題が4問。各10点。記述の設問は、「夫婦の思い出で最も記憶に残っていること、もしくは幸せを感じたことについて書け」とか、「現在、夫婦が直面している問題で最も重大なものは何か」などである。
そして三番目が、一問20点の問題で、「あなたは現在のあなたの家庭と結婚についてどういう考えを持っているのか。また離婚を求める理由と、今後どうするつもりなのかについて書け」というもの。面白いのは本格的な試験のように各設問に回答時間の制限が設けられ──最初の10問と次の4問はそれぞれ40分ずつ──ていることだ。
さて、それでこの試験の結果をどう扱うのかという点だが、記事によれば夫婦ともに60点を取れていれば、「まだ修復可能」との判断基準になるという。どこまで信用できるのか疑問が残るが、概して男性の点数が低いというのには納得できる。