カルビーの松本晃会長兼最高経営責任者(CEO)が、畑違いのRIZAPグループの代表取締役最高執行責任者(COO)となることが発表された(就任は6月24日付)。松本氏はかつてジョンソン・アンド・ジョンソンの日本法人社長も務めるなど、企業を渡り歩く“プロ経営者”として認知されてはいたが、堅調な業績をあげたカルビーを突如去っての意外な転身に驚きの声も多い。
今年3月、カルビー会長退任の発表前、『経済界』編集局長・関慎夫氏によるインタビュー取材に率直に語っていたというプロ経営者の矜持とは?
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松本氏は伊藤忠商事出身だが、ジョンソン・アンド・ジョンソンの日本法人社長を務め、2009年にカルビーに転じる。以来2017年3月期まで9期連続で最高益を達成し、売上高を2倍、営業利益は3倍に成長させた。
行く先々で結果を残す松本氏は、日本では数少ないプロ経営者。カルビーCEOの退任を発表したのは3月27日だったが、「新たな挑戦の場を求める」と公言したことから、複数の企業からアプローチがあった。その中から松本氏が次の舞台として選んだのはRIZAPだった。
RIZAPは「結果にコミットする」トレーニングジムで成長してきたが、昨今はアパレルショップの「ジーンズメイト」、フリーペーパーの「ぱど」「サンケイリビング」、さらにはJリーグの「湘南ベルマーレ」を傘下に収めるなど、積極的にM&Aを繰り返している。
とはいえそのシナジーはこれからで、松本氏は「(グループ企業を)上手に結びつけるのも私の仕事かなと思う。これからの大きな課題ではないか」と就任会見では語っていた。
そしてRIZAPの魅力については「人間にとって根源的な魅力を追求し、おもちゃ箱のような楽しいイメージがある」。これがRIZAPを選んだ理由のひとつだった。