◆世界最高水準の演出法で子供たちが輝く
子役には台本を渡さず、口頭で説明するのが是枝流。「“素人”に芝居をつける技術が、ドキュメンタリー出身の是枝監督は世界最高水準。映画『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー監督なども参考にしています」(立田さん)。
『誰も知らない』(2004年)で同映画祭最優秀主演男優賞を受賞した柳楽優弥(28才)を彷彿とさせるのが、柴田祥太役の城桧吏(11才)。是枝監督も「(柳楽と)似ているとしたら、彼らのような顔が好きだからです(笑い)」とコメントしている。「子役の2人は強い目力が印象的。イケメンと話題の桧吏くんは、役柄よりもさらに好青年です」(立田さん)。
◆“見えない人々”をリアルに可視化
今年のカンヌは『万引き家族』のような“インビジブル・ピープル=社会から見えない、取り残された人々”をテーマにした作品が多かった。一家が暮らす、周囲から取り残されたような木造家屋は、都内に実在する民家が撮影に使われた。
是枝作品初参加のキャストを支えるのは、常連組のリリー・フランキー(54才)と樹木希林(75才)。樹木は「この方が不気味」と考え、髪を伸ばし、入れ歯をはずして役作りした。
※女性セブン2018年6月14日号