国際情報

中国で四川料理離れ 昨年1年で4万店閉店、健康志向影響か

四川料理は日本でも人気だが

 中国では昨年1年間だけで、四川料理店が約4万店舗閉店していたことが分かった。四川料理は油分が多いほか、香辛料の多用で辛く、塩分も多いということで健康志向の都会人から敬遠されているためとみられる。このほか、四川料理はリピーターを見込んで、辛さにまぎれて麻薬的な成分を入れる事例も報告されていることも原因とされる。「法制晩報」が報じた。

 中国国家統計局によると、昨年1年間の中国全体の飲食業界の売上高は3兆9000億元(約67兆4700億円)に達し、米国に次いで2番目の規模となっている。

 中国の飲食業界は今年1年間の売り上げが前年比約10%増と予測されており、今年も成長が見込まれている。だが、昨年1年間で閉店した店舗は、新たに開店した店舗数の91.6%に達している。

 つまり、新たな飲食店が100店舗開店すると、これまで経営していた約92店舗が閉店していることになる。

 各地方料理別にみると、このなかでも、中国全土の四川料理店の閉店数が4万店舗と圧倒的に多い。昨年1年間で北京市では4000店舗、上海市でも3000店舗となっている。四川省成都市や重慶市の四川料理の本場でも、2016年と比べると、昨年は四川料理店の数が減少しているという。

 これについて、中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)は「油っこく、塩分が高く、辛いものを好む中国人が明らかに減り、健康的とされるうまみの効いたテイストの食べ物を好む人が増加し、刺激のある食べ物よりうまみを楽しむ食べ物が好まれるようになっている」と分析している。

 中国では中間所得層や富裕層が増えており、それにつれて、食事も健康志向が好まれる傾向が強くなっている。これと比例して、店舗の清潔志向も強まっており、低価格の昔からの小さい店舗が敬遠され、閉店に追い込まれているという。

 これについて、法制晩報は「中国の飲食業界は急成長が続くと同時に、変革期を迎えており、膨大な資本や最先端技術が次々と投入されることで、業界再編が進んでいる」と指摘している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン