「紀州のドン・ファン」と呼ばれた実業家・野崎幸助氏(享年77)が急逝、遺体からは致死量を超える覚醒剤成分が見つかり、警察が捜査に乗り出す事態となっている。
同氏は和歌山県田辺市で酒類販売業や不動産業などを営んでいたが、参列した会社の従業員たちも55歳年下の妻・Sさんの言動に不信感を抱くことがあったという。
「2月に結婚したSさんが、田辺にやってきたのは4月のこと。それまでは東京と和歌山の別居婚でした。こちらに来て間もない頃、彼女は私に『いま社長が死んだら、私にはいくら入るの?』と聞いてきた。冗談のつもりだとしても笑えなかった」(従業員)
従業員たちは全員、警察に呼ばれて取り調べを受けたという。別の従業員が不安そうな表情で漏らす。
「指紋を取られ、尿検査を受け、スマホの電話帳やインターネットサイトの検索履歴まで調べられました。腕を見られて、覚醒剤の注射の痕まで調べられた時に『これは何の捜査ですか?』と質問したけど、答えてくれなかった。
社長はSさんと結婚したことを喜び、入籍の証明として戸籍謄本と夫婦の2ショット写真を近所に配っていた。あの時の社長は幸せそうでした。死ぬ前日までピンピンしていた社長の笑顔が今も頭から離れません」
50億円ともいわれる野崎氏の遺産はどうなるのか。
「野崎氏は遺書などは残しておらず、法廷相続に従うことになるでしょう。すると遺産の4分の3は妻であるSさんに、残り4分の1を野崎氏の6人のきょうだいで分け合うことになります」(社会部記者)
※週刊ポスト2018年6月15日号