この5月に、栃木県のJA足利が“ペット葬”事業を開始した。お別れ式の手配や火葬、寺院へ納骨の仲介も行うという。
昔はペットが亡くなると、自宅の庭などに埋めるのが一般的だったが、最近はペットも家族同様に火葬して弔いたいという人が増加。それに伴い、前述のように別業種から新規参入する企業や団体が増えたのだ。また、そのまま庭に埋めるのが問題になってきたのも、ペット葬ブームのきっかけになっているという。
「土に埋めれば骨は自然に還ると思っているかたが多いのですが、骨は土に還りにくく、10年以上経ってもそのままのケースが多いのです」
と、これまで3万件以上のペット火葬・葬儀などを行ってきた「愛ペットグループ」の北治美津子さんは話す(「」内、以下同)。
また、賃貸物件の庭や公園・公共の場に埋めるのは違法となる。火葬にした方が、後々の問題も回避できるのだ。
◆お骨拾いも行える「立会個別火葬」が人気
ペットの火葬には“合同火葬”と“個別火葬”がある。
合同火葬は、他のペットと一緒に行われ、お骨拾いはスタッフが担当。納骨も合同で、返骨はできないが、費用が7000円程度に抑えられる。
一方個別火葬は、自分のペットだけで火葬を行う。お骨拾い・納骨をスタッフに一任する“一任個別火葬”(1万3000円~)と、火葬にも立ち会えて飼い主がお骨拾いも行える“立会個別火葬”(1万8000円~)があり、予算で選べるのが一般的だ。
「火葬の場も、ペット霊園など火葬施設の整っているところや、火葬炉を搭載した専用車などがあります。最近は立会個別火葬を選択されるかたが多いですね」
ペットなら、犬・猫以外でも、ウサギやハムスター、ハリネズミ、爬虫類、鳥などにも対応できるという。
◆納骨せずに持ち帰る人は約3割。一部残す“分骨”という選択肢も
火葬後は遺骨をペット霊園や納骨堂に納めるのが理想ではあるが、必ずしも納骨しなければいけないというわけではないと、北治さんは言う。
「気持ちの整理がつかないうちは、無理に納骨する必要はありません。実際、弊社の火葬利用者の約3割は納骨せず持ち帰っています」
とはいえ、手元に置いた場合、どのタイミングで納骨すればいいのだろうか。
「四十九日を1つの区切りにするのがおすすめです。寂しいなら、全部納骨せず、遺骨の一部を形見として手元に残す“分骨”という選択肢もあります」
納骨方法も、ペット霊園の納骨堂や、人と同じように墓石を建てての納骨もある。これらも火葬同様、合同か個別かを選べるようになっている。
次号では、葬儀関連のトラブルに巻き込まれないための注意点について紹介します。
※女性セブン2018年6月14日号