この時季のお弁当は、食中毒菌の格好の標的! 食中毒など細菌による食品汚染に詳しい獣医学博士で『女子栄養大学 食品衛生学研究室』教授の斉藤守弘さんは「菌を増やさないためには、水分が出ないように作るのがポイント」と語る。家族を守る100点弁当のポイントを解説しよう。
◆お弁当箱は木製が◎ご飯とおかずは別々に
木の弁当箱は通気性がよく、水分を吸ってくれる特性がある。ご飯とおかずは別々にしたほうが、おかずの水分がご飯に移らず、食中毒のリスクを減らせる。
◆必ず箸を使って詰める
黄色ブドウ球菌などの食中毒菌は人の手から感染しやすいので、おかずは箸を使って詰めること。
◆ご飯は冷ましてから詰め
ご飯が温かいうちにふたをすると、中に水滴がついてしまい、菌が増殖する原因に。平たいバットなどに移し、必ずよく冷ましてから詰める。おかずも同様に冷ましてから。
◆梅干しは細かくして全体に散らす
殺菌食材の定番といえば、梅干し。ご飯の真ん中に丸ごと1個置くよりも、細かくちぎって散らすほうが殺菌効果が広範囲で発揮される。
◆青じそなど殺菌効果のある食材を使う
青じそ、しょうが、梅干し、わさび、酢など、殺菌効果のある食材を上手に使って。おすすめは鶏肉のしそ巻き、豚肉のしょうが焼きなど。
◆根菜など水分の出にくい野菜を入れる
野菜を入れる時は葉野菜よりも、れんこんやごぼうなど、水分が出にくい根菜類を。水分をしっかり飛ばしたきんぴらもおすすめ。煮物を入れる時はよく水気を切ること。
◆濃いめの味付けで水分を吸収
味付けを濃くすると、塩分が水分を吸収し、食材が腐りにくくなる。食中毒対策におすすめ。
◆卵焼きは火をよく通して厚焼きにしない
この時季の卵焼きは中が半熟にならないように厚焼きは避け、薄めに仕上げて。半熟のスクランブルエッグも控えるべき。
◆唐揚げなど水分を飛ばしたおかずがGood!
カラッと揚げて、水分がしっかり飛んでいる唐揚げはお弁当におすすめ。揚げ物でもコロッケなど水気を多く含むものはNG。
◆仕切りはバランやアルミカップで
レタスなどの葉野菜で仕切ると水分が出て、接している他の食材も腐りやすくなる。仕切りにはバランやアルミカップを。最近は水分を吸収したり、抗菌効果のあるものも市販されている。
◆ゼリーを凍らせて保冷剤代わりに
温度が上がると菌が増殖するので、デザートのゼリーを凍らせて保冷剤代わりに。弁当箱の上下を保冷剤で挟み、保冷バッグに入れれば完璧! 暑い所には置かないこと。