ボクシングブーム再び。現役日本人王者たちの活躍は、オールドファンも認めるところ。果たして本当に史上最強といえるのか。長くボクシングを見てきた週刊ポスト読者1000人に「史上最強の日本人ボクサーは誰か」という緊急アンケートを実施した。ランキングでまず目を引くのが、いまやテレビのバラエティ番組での活躍で知られるボクサーたちの名だ。
とくにガッツ石松(4位)は、テレビで“天然”といじられる姿しか見たことのない若者には驚きだろう。
ガッツは、1974年にライト級王座に挑戦し、「幻の右」(素早いワンツーストレート)でKO。アジア人初の世界ライト級王者となった。
「下馬評は圧倒的にチャンピオン有利だったが奇跡の勝利。まぐれかと思ったらその後も競合相手に5回連続防衛に成功し、名王者になった。若い奴らが『ガッツ』となめた口調で呼び捨てにするのが許せない」(メーカー・58)
ボクシングライターの原功氏もその実力に太鼓判を押す。
「見た目のイメージとは真逆のクレバーなボクサー。『幻の右』は当てる気のない左のフェイントを入れながら、ここぞというタイミングで瞬時にワン・ツーを切れ目なく打つから相手には見切れない。それが幻たる所以です。さらに恐ろしいのは、右ばかり警戒し、左に対する防御の薄くなったところに、磨き上げた左フックを当てるという狙いも潜ませていたこと。実に計算されていたんです」