近年、プライベートな記録が本人の知らないところでネット上に流出し、思わぬ被害を受けることが社会問題になっている。
その代表格が「リベンジポルノ」だ。元交際相手や元配偶者が、感情のもつれから、相手の私的な性的画像や動画などをネットにアップするという卑劣な行為で、警視庁への相談件数は年々増え続けている(2017年は過去最多の1243件)。3年半前にリベンジポルノ防止法が成立し、刑罰に問われるようになった。
ポルノに限らず、本人が望まない情報が勝手にネットにアップされて、不特定多数に知られていく危険性は、近年、急激に高まっている。カメラ付き、録音機能付きのスマホの普及と、情報データを簡単にアップできるSNSが身近になったことが原因だ。
5月下旬には、NEWSの小山慶一郎(34才)と加藤シゲアキ(30才)が参加した飲み会の様子を録音した音声がネットに流出。「せーの! 小山も、アソレ!」、「シゲちゃん、いただきましたか!?」と男性が場を盛り上げたり、「A子(女性の名前)ターゲット、飲み干せ!」と何かを一気飲みさせようとする一幕が収められていた。このA子という女性は小山と加藤に対して“20才”だと言っていたというが、実際には19才だったということで、「未成年飲酒騒動」となったというわけだ。ちなみに、解析によると、流出した音声データはスマホで録音されたものである可能性が高いという。
ただし、リベンジポルノ以外のデータの公開については、現在のところ違法性はないという。九段下総合法律事務所の伊倉秀知弁護士の指摘。
「公道や店内などオープンなスペースでは撮影や録音をして、そのデータを公開しても、規制する法律はありません。しかし、公開によって著しく悪影響を受けた場合には、プライバシーの侵害や名誉毀損の損害賠償を請求することは可能です」
一般社会において、実際、誰かの同行者が未成年であった場合、本人が成人だと嘘をついたとしたら、その確認をするのは極めて難しい。
しかもスマホさえ持っていれば、誰でも簡単にコッソリと撮影者や録音者になれる。「口にしたことはすべて録音される可能性があるという前提で過ごすほかない」(伊倉弁護士)と言うが、お互いがお互いをずっと監視し合っているようで、どこか窮屈さを感じる。
※女性セブン2018年6月21日号