和歌山県田辺市の実業家で“紀州のドン・ファン”と呼ばれた会社社長の野崎幸助氏(享年77)が自宅で急死し、遺体から大量の覚醒剤成分が検出された事件。警察は、22歳の妻・Sさんと家政婦の東京の自宅を捜索し、和歌山の野崎さん宅の庭に埋められていた犬を掘り返して死因を調べるなど、捜査を進めている。各メディアの取材に「私は覚醒剤なんて飲ませていない」と語っている家政婦に、電話で話を聞くことができた。すると、意外な言葉が飛び出した。
──家宅捜索が行われています。
「なんで、こんなに長いこと(家宅捜索を)やるのかね。私はなんにもやってないし、なんにも出てきませんよ。それをウソ発見器までかけてねえ。でも、潔白は主張しないといけない。きちんと説明しなくちゃいけないと思う」
──野崎さんとの出会いは?
「銀座や六本木で働いた後、小さな店をやっている時に知り会いました。そのうち、社長の東京でのお仕事のお手伝いをするようになりました。家政婦は、社長から頼まれて始めたんです。昔からの知り合いの私を頼っていた」
──普段の野崎さんは?
「やはり若い子ばかりを好んでいました。昔、私の娘にまで手を出そうとして、それで怒ったこともあるんです。10数年前でしょうか。娘がまだ高校生だった時です。お伊勢参りに行くということで、うちの娘を誘ってくれたんですよ。それで、娘と3人で行くことになったんですが、その当日、私を置いて娘と2人で朝から行こうとしていました。車に乗せていこうとしたのをつかまえて『うちの娘になにするつもりだ』って怒ったんですよ。社長は謝っていましたけど、私たち親子はそのまま帰りました」
そう一気にまくしたてた。そんな経験を持ちつつも、家政婦の仕事を続けていた彼女。今となっては、野崎氏に真相を確認することはできない。