ボクシングブーム再び。現役日本人王者たちの活躍に、メディアは「史上最強」だの「歴代最高」だのと煽るが、ちょっと待ってほしい。彼らが強いのは認めるが、果たしてかつての黄金期を知った上で言っているのか。ならば史上最強の日本人ボクサーは誰か、決めようではないか。長くボクシングを見てきた週刊ポスト読者1000人に、「史上最強のボクサーは誰か」という緊急アンケートを実施した。
時空を超えて「どちらが強いか」を問うのは、格闘技における最大のロマンである。ミドル級で初の日本人世界王者となった竹原慎二(13位)は、現王者・村田諒太について、「かなりのプレッシャーのなかで戦っているのは間違いないが、まだそんなに強いのとやってないからね」と評価を控えた。その上で、「もし戦ったら?」と問うと──。
「う~ん。どうなるかわかりませんけど、もしやったら僕は負けない。村田くんのパンチ力が実際にどうかはわからないけど、打ち合うでしょうね。村田くんはあれだけ堅くガードしているから、下から上からと打ち分けてガードをこじ開けていくしかない。僕はプロなんだからファンを喜ばせるためにKOしかないと思って戦ってきた。村田くんはその点では、アマチュア出身だからかもしれないけど、ちょっと手数が少ない。もっとリスクを取ってでも攻めてほしいね」
先駆者としての自負が、そこに垣間見えた。
同じく今回のアンケートで圧倒的票数を集めて1位となった具志堅用高に「もし井上と戦ったら?」と問うと、「僕以外にすごいボクサーなんてたくさんいた」と話していたにもかかわらず、これまでの謙虚さとは打って変わり、にやりと笑った。具志堅は1位で364票を獲得、2位のファイティング原田の133票を大きく上回った。