突発的な大ニュースをいち早く伝えるために、朝夕刊の新聞とは別に臨時で発行される「号外」。だが、スクープを狙い、速報性を優先するあまり、“世紀の大誤報”となった号外も存在する。
大正天皇崩御当日の1926(大正15)年12月25日、東京日日新聞(毎日新聞の前身)が新元号を「光文」と報じる号外を他紙に先駆けて発行した。
だが、その後、宮内省が発表した新元号は「昭和」。この誤報は当時、同新聞社の社長が辞意を表明する大騒動となった。結果的に編集幹部の処分にとどまったものの、「光文事件」として号外史に“黒歴史”を刻んだ。
平成に入ってから世の中を驚かせたのが、産経新聞が出した電子版号外の2大誤報。2011年7月に「死去」と報じられた江沢民氏は後に生存が確認され、編集局長が処分を受けた。
2013年10月の「村上春樹氏 ノーベル賞」の誤報は、予定稿を誤って配信したことが原因。約7分後に電子版から削除し、お詫びを出した。
※週刊ポスト2018年6月15日号