ライフ

「温熱」「水圧」「浮力」 風呂は健康効果の宝庫

風呂は健康効果の宝庫(写真/アフロ)

 湯船にどっぷり浸かったときの気持ちよさは言うまでもなく、高齢者にとっても入浴はうれしいひとときだ。

 その一方で、入浴中の事故による死者数は年々増加傾向にある。消費者庁の発表では、家庭の浴槽での溺死者数の約9割が65才以上。効用とリスクは背中合わせということだ。

 入浴好きが高じて温泉や入浴に関する研究を深め、温泉療法専門医の植田理彦博士を顧問とする『高齢者入浴アドバイザー協会』を立ち上げた鈴木知明さんに聞いた。

「日本人に風呂好きが多いのは、日本ならではの“湯船に浸かる”という入浴の心地よさがあるからかもしれません」と、鈴木さんは言う。若い世代には、シャワーだけの簡単な入浴が好まれるとも聞くが、やはり一日の疲れを和らげるには“お湯に浸かる”のがいちばん。入浴による健康効果も、浸かることで得られることが多いようだ。

 入浴の健康効果は、主に次の3つの作用によるという。

●温熱効果
「血行がよくなり体が温まります。深部体温が1度上がれば免疫力が5~6倍アップ。ただわずかな湯温の差により、体の反応は大きく違います」

◇熱い(42℃以上)血圧・心拍数ともに急上昇し、交感神経が優位になり緊張感アップ。
◇ぬるい(38~40℃)血圧・心拍数ともゆっくり上がり、ゆっくり下降。副交感神経が優位になってリラックス。高齢者にはおすすめの温度帯。

●静水圧
「首まで浸かると約560kgの圧力がかかる。全身どっぷり浸かると、思わず『はぁ~』と声が出るのは、水圧で横隔膜が押し上げられて肺の中の空気が押し出されるため。圧力のポンプ効果で血液やリンパの流れがよくなり、下半身のむくみなどを緩和します」

●浮力
「全身浴の場合、体重が約10分の1になり、実感としても体が軽くなります。普段、体重を支える腰や各関節などへの負担が軽くなり痛みなども軽減。ストレスも和らぎます。浮遊するような心地よさで気分も解放的になります」

※女性セブン2018年6月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン