参院本会議で5月16日、国や地方の選挙で男女の候補者数をできる限り均等にすることを求める「政治分野における男女共同参画推進法案」が成立した。
現在の衆議院は、男性議員418人に対して女性議員はわずか47人。世界的に見ても日本は女性議員の割合が少ないのが現状だが、安倍政権が謳う「女性が輝く社会」は実現するのか。キャスターの安藤優子さんと立憲民主党の蓮舫衆議院議員が現政権に物申す。
安藤さんが語る。
「なぜ女性に輝いてほしいか、それは高齢化による人手不足だから。安倍政権の“女性が輝く社会”は単に労働力として女性が欲しいとしか思えないような政策が目につきます。
女性が女性としておおらかに仕事を楽しんで自由に生きられる社会を目指すのではなく、経済政策の一環として、早く子供を預けて労働力として戻って来られるような政策整備をしましょうといっているだけ。
その一方で、過去には“3年間抱っこし放題と掲げ”、育休を3年まで延ばすという政策も打ち出していた。子供は3年間お母さんが抱っこすることが幸せだと思い込んでいる。だけど3年も休んでしまえば職場に居場所がなくなってしまう。
現実と乖離して矛盾をはらんでいるうえ、ジェンダーの視点がない。こういった意識が変わらなければ、“女性が輝く社会”はやってこないと思います」
続いて蓮舫議員はこう話す。
「首相が唱える“女性が輝く社会”は福田事務次官のセクハラ問題で、相当後退してしまったように思えてなりません。とくに“ハニートラップだったのではないか”と加害者を擁護した麻生大臣のセクハラに対する考えは、あまりに旧態依然としている。こういった意識が変わらなければ女性が輝く社会は一生訪れないと思います。
また首相が作ろうとしているのは、勝者だけしか存在しない社会なのではないでしょうか。
いくら女性の役員が増えたからといって、暮らしやすい社会になるかといったら、そうではない。役員になるような女性は一握りの“上り詰めた人”。大多数の女性は、役員になるよりも保育園に入れるようにしてほしい、専業主婦でも働きたいと思ったら働けるようにしてほしいと考えている。
“上り詰めた人”だけが作る世界ではなくて、どんな人であろうと自分の生き方や働き方を選べて、自分の人生を作っていける、多様な選択肢を用意できるのが本当の意味での男女平等の社会だと思います」
※女性セブン2018年6月21日号