霞が関の“汚染”はどんどん広がっている。財務省のセクハラ前次官、国税庁の改竄前長官の次は、外務省の“殿様課長”のスキャンダルだ。
「国家公務員としての信用を損ない、国民全体の奉仕者たるに相応しくない行為があった」
河野太郎外相は6月5日、毛利忠敦・欧州局ロシア課長に「停職9か月」の処分を下したと発表した。
停職9か月というのは20人の大量処分者を出した財務省の誰よりも重い。「おっぱい触っていい?」の福田淳一前事務次官が減給6か月、公文書改竄の佐川宣寿前長官が停職3か月なのだから、それを上回る“量刑”とは一体、何をやらかしたのか。
ところが、河野外相は肝心の容疑について「被害者のプライバシーが……」と明らかにしていない。「国家公務員としての信用を損なった」と言いながら、その給与を負担している国民に不祥事の中身を公表しないのだ。隠せば隠すほど、憶測が広がるのは当然である。〈部下に不倫関係を迫ったようだ〉〈別の女性通訳にもセクハラしたらしい〉──といった情報が省内に飛び交う始末だ。
スキャンダル官僚には共通点がある。いずれも安倍首相のお気に入り人脈で出世したエリートなのだ。