「1日3食きちんと食べる」ことは、健康に生きるための常識とされてきた。ところが、現在、一大ブームとなっている医師による「食事本」によると、その評価はまちまちだ。
『医者が教える最強の食事術』(白澤卓二・監修)は、〈朝食抜きは肥満のもと〉としている。朝食抜きだと昼には体が飢餓状態となり、わずかなカロリーでも生命を維持できるよう代謝を下げ、エネルギーの吸収を高めようとする。そこで食事を取ると血糖値のアップダウンが激しくなり、肥満や糖尿病の原因になるという。
『医師が教える疲れが抜けない人の食事法』(本間良子、本間龍介・著)では、加えて朝にホルモンや体の組織の材料となるたんぱく質や脂質を多く摂ることを薦める。血糖値の上昇を抑える一方、副腎皮質から出るコルチゾールというホルモンの分泌を促し、副腎疲労を予防するからだ。
多くの本が1日3食を前提にするのに対し、真っ向から異を唱えるのが、『医者が教える あなたを殺す食事 生かす食事』(内海聡・著)だ。同著では〈「1日3食」は実は様々な病気を引き起こす不健康のもと〉だと断じている。
著者の内海氏が主張するのは3食欠かさず摂ることによるカロリーオーバーの危険性だ。1日3食食べると〈内臓はずっと働きっぱなし〉になり、老化が進んでいく。そのため、食べる機会や食べる量を減らせば、その間に内臓を休ませることができ、生活習慣病も予防できるというのだ。同氏は自ら1日2食を続けている。
1日3食摂りつつ、カロリー過多も予防できるか。それが食事法選択の基準となりそうだ。
※週刊ポスト2018年6月22日号