簡素で格安な葬儀が人気となっている。「墓はいらない」という人も少なくない。葬送の形によって、どれくらい必要な費用は異なるのか。パターン別に調べた。
【「葬式がゼロ円」のパターン】
●ゼロ葬──火葬後、遺骨のすべてを火葬場の処理に任せ、引き取らないこと。宗教学者の島田裕巳氏が著書で提唱して話題に。火葬費は住民であれば無料の自治体があるので、その場合、遺体の搬送を自ら行えれば、業者に支払う費用はゼロに抑えられる。
●献体──医大の解剖教室などに遺体を提供する。本人が生前に大学や関連団体に登録する。遺体の搬送や火葬は各団体が行うため費用はかからない。
●生活保護葬──「ゼロ円葬」と言われることもある。生活保護法において定められた葬祭扶助のこと。執り行えるのは、火葬のみ。葬式の喪主が生活保護受給者であるか、故人が生活保護受給者で身寄りがない場合に支給される。最大で20万円前後が、葬式を執り行った葬儀社に支給される。