SNSのパワーで人を集め、話題となる商品やスポットがある一方で、そのパワーが“負の効果”をもたらしてしまうこともある。その1つに挙げられるのが観光地だ。とりわけ「秘境」「聖地」などと呼ばれ、“観光地”としてしっかり整えられていない場所が注目・拡散されると──。
沖縄北部にある「備瀬」という集落には、“神が降り立ち、精霊が立ち寄る場所”がある。知る人ぞ知る秘境だったその場所「備瀬のワルミ」には今、人が立ち入ることができない。本部町備瀬区長の高良善久さんが、こう嘆く。
「パワースポットとしてテレビや雑誌で何度か取り上げられるようになり、インターネットでどんどん評判が広がって、多くの観光客のかたに来ていただくようになりました。
ただ、もともと観光地として整備されていた場所ではなかったため、駐車場などもなく、道幅も狭い。そんなところに一気に人が来てしまったので、完全にパンク状態。そうした状況の中、近くの土地所有者がフェンスを張ってしまい、一時的に立ち入りが禁止になってしまっています」
同地区には「フクギ並木」という有名な観光スポットもあり、民宿や商店もあるため、観光地化を求める声も多いという。
「こちらとしてもたくさんの人に来てもらいたいけど、土地の整備も必要だし、ゴミのポイ捨てなどマナー違反にどう対応していくかということも考えていかなければならない。残念ながらもう少し時間がかかりそうです」(同前)
※女性セブン2018年6月21日号