多くの品目を一度に摂取できることから、野菜ジュース、果物ジュースを愛飲している人は少なくないだろう。42万部のベストセラーとなった『医者が教える食事術 最強の教科書』(牧田善二・著)をはじめとし、いま一大ブームとなっている、医師が執筆する「食事本」のうちのひとつ『医者が教える最強の食事術』(白澤卓二・監修)では、朝食に旬の果物を使ったスムージーを飲むことを推奨している。同書の監修者で、日本のアンチエイジングの第一人者であるお茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二医師がいう。
「スムージーのメリットは野菜や果物に含まれる抗酸化物質のほか、エネルギー代謝に必要なビタミン、ミネラルを効率よく摂取できること。体内の酸化を総合的に抑えられるでしょう」
対して、『医者が教える食事術 最強の教科書』では糖尿病予防の観点から「野菜や果物をジュースにすべきではない」と主張している。
同書によれば、高価なフレッシュジュースには甘い果物がふんだんに使われており、不必要な糖分を摂りすぎて血糖値を上げる結果となってしまうという。また、ジューサーで搾ることでせっかくの食物繊維が取り除かれてしまうとも指摘。果物はそのまま食べるのがベストとしている。
同様の指摘は『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介・著)でもなされている。
〈英国ケンブリッジ大学の今村文安昭氏らが行った観察研究のメタアナリシス(編集部注・複数の研究結果の取りまとめ)によると、フルーツジュースの摂取量が1日あたり1単位(編集部注・コップ1杯分)多い人ほど、糖尿病のリスクが7%高くなると報告されている〉
ビタミンなどの「栄養価」に目を向けるか、「糖分」を問題視するかで評価は異なるのだ。
※週刊ポスト2018年6月22日号