死因が「急性覚醒剤中毒」と特定されたことで、一気に殺人事件の疑いが濃くなった“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助氏(享年77)の死。55歳年下の妻や家政婦の自宅にまで捜査は及んだが、事件は長期化の様相を見せている。
野崎氏が死亡した時に妻・Sさん(22)と一緒に野崎邸にいた家政婦のKさんは、和歌山に戻ることを拒否しているという。
「東京の自宅にも帰らず、今は友人宅に身を寄せているようです。野崎さんの会社関係者が“和歌山にはもう来ないのか?”と聞いたら“戻ったら次は私が殺される”と怯えていたそうです」(野崎氏の知人)
Kさんは和歌山県生まれで、野崎氏と出会ったのは30年も前のことだ。
「同郷のよしみで、社長はKさんが開いたばかりのクラブに通い詰めていた。ちょうど社長が東京で金融業を始めた頃で、Kさんも社長の仕事をずいぶんと手伝ったそうです。社長とは“深い関係にあった”というのがもっぱらです」(別の従業員)
いずれにしても事件が解決するまでは、それぞれ(東京の)自宅を捜索されたSさんとKさんは、今後も警察から事情を聴かれ続けることになるだろう。
実は、野崎氏が死亡した時に野崎邸にいたのは、「SさんとKさんの2人に限らないのではないか」という声が捜査関係者からあがっている。
「自宅には8台ほどの防犯カメラがあり、全て警察が押収して解析を進めています。しかし野崎氏が亡くなった日、電源が入っていなかったカメラがいくつかあったようだ。あの日、SさんとKさん以外の誰かが家の中にいた可能性も視野に入れて捜査している」(捜査関係者)
決論が出るのはいつなのか。
※週刊ポスト2018年6月29日号