今回のサッカーW杯日本代表は平均年齢28.2歳というベテラン中心の陣容で、その選考に批判も少なくない。しかしDF・長友佑都(31)は「年齢で物事を判断するのはサッカーを知らない人」とツイートして起きた炎上騒ぎにも、「代表の『炎上隊長』として発信しただけ」と笑い飛ばす余裕を見せた。そう言えるのも、31歳になった今も進化を遂げているから。1月末に赴いたガラタサライでも圧巻の活躍ぶりだった。
「イタリアでの7年間は守備を学んだけど、トルコでは攻撃的な仕事を求められていて、水を得た魚のようにイキイキしてます」と新天地での充実ぶりを口にした。妻・平愛梨と2月に生まれた長男との新生活も満喫しており「カッコいい親父の姿を見せたい」と3度目となるW杯に向けて意欲満々だ。
ロシア本番ではコロンビアのクアドラード、セネガルのマネ、ポーランドのブワシュチコフスキというキーマンとの対峙が続く。「左サイドはもう地獄でしょ」と彼自身も苦笑するが、「今からワクワクしてるし、相手が強くなればなるほど燃える」と金髪にイメチェンして気合を入れ、勝利を誓った。8年前の南アフリカでカメルーンのエトーらキーマンを完封したこの男の堅守が日本のミラクルのカギになる。
【プロフィール】ながとも・ゆうと/1986年9月12日、愛媛県西条市生まれ。明治大学時代に左SBとなり、FC東京へ。2008年に日本代表に抜擢され、今回が3度目のW杯。7年間在籍したイタリア・インテルミラノを経て、今年1月に移籍したトルコ・ガラタサライで自身初のタイトル獲得。
◆取材・文/元川悦子
※週刊ポスト2018年6月29日号