47つも都道府県があれば、どうしても人口が多い県、少ない県が出くるもの。東北地方で人口が最も少ないのが秋田県だ。秋田は現在人口が99万人で全国38位。明治時代にはトップ・福島県を追う「東北の銀メダル」を争っていたが、昭和に入るとBクラスに脱落。戦後はずっと東北最少争いを続けている。
同じ日本海側の山形県とは10万人以内の僅差。ただし、65歳以上の割合が全国トップの33.8%(山形は30.8%)という弱点を抱えており、最下位脱出の展望は見えていない。
関東甲信越唯一の「百万人超え」なしが山梨県。現在人口82万人で42位の山梨は、関東甲信越で唯一100万人を超えたことが一度もないが、かつて「人口増加率」で全国1位になった。太平洋戦争末期の昭和19年(1944年)に東京などからの疎開者を受け入れたためだという。2027年開業予定のリニア新幹線で、再び“人口急増”は起きるか。
奈良は現在人口135万人で30位。かつては平城京を構える“首都”だったが、明治時代に“消滅”した時期がある。明治初期の廃仏毀釈によって、奈良県の“主要産業”である有力寺院が立ち行かなくなり、県勢が激減。明治9年(1876年)には堺県(現在の大阪府)に併合され、約10年間にわたって奈良は存在していなかった。
※現在人口は2017年の人口推計(総務省)をもとにした。
◆取材協力/友部謙一
※週刊ポスト2018年6月29日号