今や多くの人が摂取する健康食品の副作用について国が調べたデータベースが存在することは、あまり知られていない。「国立健康・栄養研究所」は長年にわたって健康食品の情報をデータベース化している。
同研究所は、「『健康食品』の安全性・有効性情報」としてインターネット上に掲載している。国内外の研究者が健康食品の素材や成分を調査した結果や論文を改めて精査し、科学的なエビデンスの裏付けがあると判断したものだけをデータベースに掲載しているという。
世界中の研究を取捨選択し、科学的に有効なものだけを抽出する。客観性があり信頼のおけるデータベースに掲載された健康食品のリストは855件にも上るのだ。そのデータをもとに摂取する際の注意点をみていこう。
「サプリメント」は通常の食事ではわずかしか摂取できない栄養分を効率よく摂取する補助食品として老若男女に人気だが、日本健康食品・サプリメント情報センター理事の宇野文博氏が解説する。
「服薬と同じく、サプリでも副作用による健康被害が生じることがあります。米国では、毎年2万3000人以上がサプリを原因として救急外来を受診しているという報告もあります」
シニア男性に特に人気の高いサプリが亜鉛だ。亜鉛は不足すると成長障害や免疫力低下のほか、生殖機能の低下や脱毛などを引き起こすため、いつまでも“現役”でいたい男性に亜鉛サプリの愛用者は多い。