人口統計を深掘りすると、都道府県の意外な一面が見えてくる。“脱出”している現住人口に占める昼間人口(他地域からの通勤者など日中だけ現存する人口)の割合を表わす、昼夜間人口比率(15年調査、総務省)で“ワースト”の88.5%を記録した埼玉県。数字が低いほど日中、住民が県外に“流出”していることを指す。最も高かったのが東京都(118.1%)で、周辺県から大量の人口が首都に通勤している実態を裏付ける。
埼玉の昼間の流出人口は約83万人にのぼり、人口で県内第2位の川口市と6位の草加市を合わせた人数に相当する。全国で5番目に人口が多い県だが、それは“夜限定”の話なのである。
◆取材協力/友部謙一
※週刊ポスト2018年6月29日号