全国放送の情報番組としては珍しく、大阪のスタジオから生放送されている『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)。週始まりの月曜日、6月18日の放送はいつもとは違った雰囲気で始まった。見慣れたはずの司会・宮根誠司(55才)の姿が見えない。
放送開始から遅れること約40分。宮根はスタジオに到着すると、その日の朝7時58分に大阪北部を震源として発生した直下地震のため、航空機や車での移動が遅れたと説明し、こう神妙に語った。
「都市機能が完全にマヒしています」
最大震度6弱の揺れに、新幹線も在来線もバスの運行も、公共交通機関は一時的に完全にストップ。
「地震発生直後に報道ヘリを飛ばすと、炎上する家屋から煙が上がっていました。370人超の負傷者が出たほか、通学途中の9才女児が崩れた学校のブロック塀の下敷きになって死亡するなど5人が犠牲になりました」(全国紙社会部記者)
停電も一時、17万戸以上に上り、ガスの供給も10万戸以上で止まった。水道管の破裂で道路は水浸しになり、断水も広範囲の地域で起きた。大阪・高槻市内の小学校校庭の臨時給水所を訪れた30代女性の話。
「いちばん困るのは水です。飲み水もないし、トイレも流せない。マンションの高層階に住んでいるのですが、余震でしょっちゅうエレベーターが止まるので、階段で重い水を運ぶのは本当に大変です」
今回の大阪地震のマグニチュード(M)は6.1。“地震の巣”とも呼ばれる日本列島では、M6クラスの地震といえば年に1度は起きているので“数字上”ではそこまで深刻なレベルではない。しかし、人口密集地で、ビジネスの中心でもある都心部で起きると、生活へのダメージが甚大であることを見せつけられた形だ。
「30年以内にほぼ0~0.03%」
政府の地震調査委員会によると、今回の地震を引き起こした「有馬-高槻断層帯」でM7レベルの地震が起こる確率は、その程度だという。つまり、ほぼノーマークだった場所で地震が発生したことになる。
日本全国で確認されている活断層の数は2000以上ある。現在、活断層の密集する114の断層帯が政府の調査対象になっていて、「有馬-高槻断層帯」よりも地震を発生させる確率が高いとされる断層帯は約60か所あった。中でも、100倍以上の高確率で起こる要注意の断層帯は35か所も存在した。
地震を引き起こす原因になるのは断層だけではない。海溝型地震やトラフなども含め、高確率で発声する危険性が囁かれているものも多い。その中でも、「今後30年間にM7クラスが70%」起こるとされるのが、「首都直下地震」だ。2013年に政府がまとめた被害想定は、死者約2万3000人。全壊・消失建物は61万棟、帰宅困難者は800万人にも及ぶとされる。
※女性セブン2018年7月5日号