甘いもの=砂糖を摂りすぎると虫歯になる。長らく信じられているこの“常識”について、発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が最新の知見について報告する。
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歯科医が書いた本で、よく目にするのが“砂糖を断てば、虫歯は治る”という主張だ。虫歯の主な原因菌のミュータンス菌は“糖質”をエサにしているから、という理由らしい。
だが、食事の中には砂糖以外にも“糖質”が含まれており、(砂糖が発明されるより前の)縄文時代の人骨でも虫歯は確認されている。
最新の知見で明らかになっているのは、食事中は口の中が「脱灰」というエナメル質が溶ける状態になり、これが続くと虫歯となるということだ。だから、食事の間隔をあけて、唾液による「再石灰化」の時間を確保することが、虫歯予防に効果的と考えられている。
歯石は「グラグラになった歯を固定しようとする自然の補強作用」──こんな非常識とも言える診療方針を掲げる歯科医院も実際にある。手抜き宣言ではなく、大真面目に歯石は除去すべきではないと考えているのだ。