専門外なのに、なぜかがん治療についても一家言あるかのようにふるまう歯科医がいる。発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。
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“進行再発乳がん・肝臓転移・骨転移が、高濃度ビタミンC点滴+免疫治療サプリメント内服で、3ヶ月で腫瘍が完全消失”
この「がん治療サプリメント」の広告を見た時、私は目を疑った。なぜなら“歯科医院”のホームページに掲載されていたからだ。
キノコからの抽出物などから製造したという「免疫治療サプリメント」の費用は1ヶ月分・30錠=3万7800円。
セットで効果がアップするという「高濃度ビタミンC点滴」は、50g=1万6000円。口腔がんの治療や、重度歯周病にもオススメだという……。がん治療が専門の勝俣範之教授(日本医科大・腫瘍内科)は厳しく批判する。
「これは悪質ですね。がんが消えるサプリメントなんて存在しません。インチキです。それに歯科医が、全身のがん治療を行なっているのなら、大問題でしょう。高濃度ビタミンC点滴の効果は、科学的に証明されていません。だから、気休め程度でお金の無駄です」
つまり、がんサプリや高濃度ビタミンCは、“誇大広告”、もしくは“虚偽広告”となる。今月から施行された、厚生労働省のネット広告規制に違反している疑いが強い。この歯科医院は私の指摘後、サプリの効果に関する記述を修正した。
※週刊ポスト2018年6月29日号