1957年に放送開始されたNHK Eテレ『きょうの料理』は、すでに60年の歴史を重ねている。そこで、『きょうの料理』で“ばぁば”として人気を博している料理研究家の鈴木登紀子さん(93才)に、番組に対する思いを聞いた。
鈴木登紀子さん/料理研究家。青森県生まれ。46才で料理研究家としてデビュー。“ばぁば”の愛称で親しまれ、日本料理を今に伝える。近著に『ばぁば 92年目の隠し味~幸せを呼ぶ人生レシピ~』(小学館)など多数。
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46才で初めて出演した時、季節の青豆やまつたけを使ったご飯を紹介しました。おせち料理の時は視聴率がどんどん上がっていって、偉い人たちが驚いて飛んできたの。
最近は、後藤さんとの掛け合いが楽しいと言ってくださるかたも多くてうれしいわね。後藤さんは上手に話を引き出してくれるけど、こちらもうかうかしてはいられませんよ。リハーサルの時はいつも6分過ぎるのに、本番では阿吽の呼吸で、ピタッと25分で終わる。これは、本当に毎回不思議です。
『きょうの料理』は、さすが細やかにしっかり作られていて、素晴らしく気持ちよくお仕事ができる場所。デビューしてからずっと出させてもらっています。
お料理は、何回もやってみたら上手になるもの。おだし、ご飯、おみそ汁、焼き魚、おひたし、まずは基本が大切よ。
最近は、みなさんが料理に求めるものが変わってきていますね。でも、私が伝え続けているのは明治生まれの母が作ってくれた日本の家庭料理なの。おふくろの味はいつの時代も世界一おいしいのよ。ナイフとフォークでいただくお料理もいいけれど、豊かな日本の旬をお箸で口に運ぶことも忘れないでね。
※女性セブン2018年7月5日号