突然の“復調”には、やはり理由があったようだ。米女子プロゴルフツアー「ショップライトクラシック」(6月8~10日)で、日本からスポット参戦していた横峯さくら(32)が2位に食い込んだ。昨年17試合の賞金を上回る16万1200ドル(約1770万円)を獲得。来季のシード復帰をほぼ手中に収めた。
本誌・週刊ポストは2018年5月7日発売号で、父・良郎氏をはじめとする横峯家とさくらが、米ツアーに参戦した2015年を機に絶縁関係にあることを報じた。
8歳でゴルフを始めたさくらに手ほどきをした父・良郎氏や、栄養面のサポートを続けた母・絹子さんたちのサポートがなくなるのと軌を一にするように、成績も下降線を辿っていた。良郎氏は、本誌の直撃に「自分を支えてくれた人を粗末にするなといいたいよ」と嘆いていたが、一転して“復調の兆し”を見せた背景には何があったのだろうか。
その理由を再度、良郎氏に直撃して聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「実は、『ショップライト』の前日(6月7日)に、さくらがジュニアの頃から、メンタル面でのケアなどでお世話になってきた地元・宮崎の精神科医の先生が亡くなったんです(享年91)。葬儀のときの写真をさくらにスマホで送ったところ、家内に泣きながら何年かぶりの電話をしてきた。ずっと忘れていた恩義や感謝の気持ちを思い出したんじゃないかな」
2位に入った「ショップライト」の最終日には難しいラインのパットをたて続けに決め、「61」の猛チャージを見せた。
「僕はきっと、先生がパットを決めさせてくれたんじゃないかと思うよ。これをきっかけに何かを掴んだんじゃない。これから、さくらも変わると思うよ」
米ツアーではこれまで結果を残せず、昨オフにはメインスポンサーとの契約も終了。崖っぷち状態にあったなかで、思わぬところから一筋の光が見え始めた。
※週刊ポスト2018年7月6日号