国内

災害時の「不謹慎厨」対策、芸能人におかしな作法が定着

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 ネットスラングとしてよく用いられる「厨」という言葉は、まるで中学生のような大人げない言動をする人を指す「中坊」の誤変換「厨房」がそのまま使われ、さらに略され広まったものだ。「○○厨」と呼ばれる場合は、馬鹿にした意味が含まれる。そのバリエーションのひとつ「不謹慎厨(ふきんしんちゅう)」とその対策について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
 SNSが普及して以来、地震を含めた災害が発生した場合に「不謹慎厨」がネットに発生するのは見慣れた風景となったが、6月18日に発生した大阪北部地震では別ステージに昇華した。不謹慎厨の意味はネットの百科事典「ニコニコ大百科」には「なんらかの悲劇が起きた時、全くの無関係のものまで道徳や被害者感情を害するとすると非難し、自粛を求める人」とある。

 2011年の東日本大震災の時は、猫の画像をツイッターにアップしたり、仲間と楽しそうにやっている状況や、イベントが楽しみだなどとツイートするだけで不謹慎厨からの総攻撃を食らった。2016年の熊本地震の際は、長澤まさみが笑顔写真をインスタグラムにアップしたら被災者感情を考えろ、不謹慎だ、と叩かれた。ベッキーとの不倫騒動直後の長崎出身・川谷絵音は、家族が無事だったことをツイートしたら「お前は熊本じゃねぇだろ! 被災者ぶるな」と非難が殺到した。

 東日本大震災の時、あまりの「不謹慎厨」跳梁跋扈に対抗すべく、ジャーナリストの佐々木俊尚氏はあえて高級イタリアンで高級ワインを飲みに行くことをツイート。実際に店内の写真も公開し、さらに「不謹慎ディナー宣言!」とも一言だけツイートした。すると、「物凄い非難の嵐が不謹慎ディナー宣言に」という状態に。挙句の果てには古い友人まで非難をしてきたため、同氏はその人物との友人関係を終了宣言した。

 とにかく地震が発生すると、ピースサインや高級寿司は不謹慎の象徴的存在として忌み嫌われ、そのツイートをした人間を叩く根拠として特別な意味合いを持つこととなる。今回の大阪北部地震では、不謹慎厨の勢いは東日本・熊本の頃と比べれば強くはない。しかしながらどうにもイヤ~な作法も定着してしまった。何かをツイートするにあたり、「こんな中、不謹慎かもですけど」や「不謹慎だと言われるかな……」と前置きをしてからツイートをするのがマナーになったのだ。

関連記事

トピックス

出産を間近に控える眞子さん
眞子さん&小室圭さんがしていた第1子誕生直前の “出産準備”「購入した新居はレンガ造りの一戸建て」「引っ越し前後にDIY用品をショッピング」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
2場所連続の優勝を果たした大の里
《昇進当確》大の里「史上最速綱取り」がかかった5月場所の舞台裏 苦手な相手が続いた「序盤の取組編成」に様々な思惑が交錯
週刊ポスト
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
公益社団法人「日本駆け込み寺」元事務局長の田中芳秀容疑者がコカインを所持したとして逮捕された(Instagramより)
《6300万円以上の補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上 代表理事が危険視していた「女性との距離」
NEWSポストセブン
有名人の不倫報道のたびに苦しかった記憶が蘇る
《サレ妻の慟哭告白》「夫が同じ団地に住む息子の同級生の母と…」やがて離婚、「息子3人の養育費を減らしてくれと…」そして驚いた元夫の現在の”衝撃姿”
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン