大地震に襲われたとき、我々はどう行動すべきなのか。過去の被災経験や防災学の進歩によって常識は変わりつつある。
【トイレは潰れにくい?】
危機管理アドバイザーの国崎信江氏は、昔から「トイレは柱に囲まれているから安全」といわれてきたが、それは昭和までの話だと説く。
「かつての建築法では確かにトイレの四方は柱で囲まれていたのですが、現在は『間仕切り工法』という石膏などでできたパネルで囲う建築法が主流になっているため、強度は他の部屋と同程度です。
むしろ、出入り口が一つしかないトイレに逃げ込むと、揺れでドア枠が歪んでしまった際に閉じ込められるリスクがあります」
【逃げやすい「1階」は安全か?】
当然、すみやかに屋外へ避難できるのは1階だが、安全とは限らない。
「木造建築の場合は寝室を2階にしたほうが安全だといわれています。2階建ての一軒家が倒壊する場合、1階がつぶれても、2階はそのまま維持されるケースが少なくない」(前出・国崎氏)
内閣府のHPでも大学教授の談話として〈耐震性のある家にいるなら1階、耐震性のない家なら2階にいるのが安心です〉と記載されている。
※週刊ポスト2018年7月6日号