6月11日、日本大学教職員組合は会見を開き、田中英壽理事長ら幹部の辞任を求めた。賛同者752人のうち「匿名」が456人──。経営陣の刷新を求める教職員組合が明らかにした、「要求書」への署名の内訳だ。会見で記者に配布された資料には、辞任要求に賛同したメンバーについて、わざわざこんな注記があった。
〈報復人事の恐れがあるので、大学の非常勤講師・助教・助手・職員や高校教員などに関しては(中略)すべて公開「不可」扱いといたします〉
「報復人事」とはただならぬ表現だ。実際に、日本大学関係者の間で語り継がれる凄まじい“人事異動”がある。
「田中英壽理事長がナンバー2の常務理事として実権を掌握するのが2005年。その時に大学経営の主導権を巡り敗れたライバルの常務理事は、東京・九段南にある本部2階の窓のない資料庫の整理係に異動になり、最後は東京・稲城にある総合グラウンドの守衛に追いやられた。肩書きだけは『総務部付部長待遇』となっていたが、実態は左遷ですよ」(元理事)
常務理事まで務めた人物を現業職に置く人事は当時、教職員らに衝撃を与えたという。
トップ人事だけではない。今年4月、アメフト部の悪質タックル問題が起きる1か月前の“日大アメフト村”でも、異例の人事異動があった。日大関係者はこういう。