大地震発生時、我々はどう行動すべきなのか。過去の被災経験や防災学の進歩によって常識は変わりつつある。
ガラスの破片が降り注ぐ地上より、頑丈に作られており揺れも少ない地下街や地下鉄駅などへ逃げ込むほうがいいという話もよく聞く。地下鉄のトンネルや車両には不燃材が使用されているため、火災が発生するリスクも極めて低い。
しかし、この説には津波のリスクが考慮されていない。東京都港区の想定では、首都直下型地震が発生した場合、2.47メートルを超える津波が押し寄せるとされる。危機管理アドバイザーの国崎信江氏が解説する。
「地下街は津波で浸水する恐れがあるほか、壊れた水道管から水が噴き出す恐れもあります。海沿いの地域では、地震発生時に地下に逃げ込まないほうが良い。もし既に地下に居た場合には、慌てず地上に避難してください」
※週刊ポスト2018年7月6日号