大地震が発生したとき、我々はどう行動すべきなのか。過去の被災経験や防災学の進歩によって、常識は変わりつつある。
子供の頃、学校で行なわれた避難訓練では、「地震が起きたらまず机の下に身を隠すように」と教えられた。だが、防災先進国の米国では、机の下に身を隠すことがリスクを高めるという考えが広まっている。
震災の救命活動を行なうボランティア団体「アメリカン・レスキュー・チーム・インターナショナル」の代表であるダグラス・コップ氏は、これまで875件もの救助活動を行なった経験から、「建物が倒壊した場合、テーブルでは荷重を支えられず潰れるため、下に隠れても圧死するリスクが高い」としている。
危機管理アドバイザーの国崎信江氏が解説する。
「固定されていないテーブルなら、ぶつかって怪我をする恐れもある。落ちてくる物が少ない廊下や玄関に移動し、出口を確保するほうがいい」
文科省の『地震時における退避行動等に関する既往研究の調査結果』(2010年)でも、テーブルの下に隠れようとして負傷したケースがあったことが報告されている。
※週刊ポスト2018年7月6日号