芸能人にとって、そのイメージを大きく左右する名前。その名前にも、流行りみたいなものがあるようで…。最近、よく目にするのが「なな」だ。コラムニストのペリー荻野さんが「なな」の活躍に迫る。
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1990年代から2000年代の芸能界は「美紀」がブームのようだった。酒井美紀、中谷美紀、藤谷美紀。毎日、どこかで美紀と出会っていた気がするが、近年は、「なな」という名前の女優、タレントの活躍が目立つ。
アイドル界では、AKB48・STU48の岡田奈々。彼女がデビューしたころには、当然のごとく昭和世代は「岡田奈々といえば、『俺たちの旅』『青春の坂道』だろ!!」と言っていたものだが、今や平成の岡田奈々、昭和の岡田奈々、ともにしっかり認知されている。また、歌手で声優の水樹奈々も番組出演やナレーション、ツアーで大忙し。バラエティーや情報番組では、鈴木奈々や片瀬那奈も張り切っているし、モデルの加藤ナナは今春、スタイルブックを出すなど注目されている。ママになった榮倉奈々も今年、映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』に主演している。
『半分、青い。』では、ジューンブライドのこの季節、ドラマを引っ張ったのは、ユーコ(清野菜名)であった。秋風先生(豊川悦司)のもとで、ユーコはヒロイン鈴愛(永野芽郁)とともに研鑽を積み、無事にデビューしたものの、作品の人気は低下。一時は鈴愛に「男見つけたほうがいいんじゃない」と言い放つなど、荒れ模様だったが、結局、よき伴侶を見つけて、美しい花嫁として旅立っていった。
その姿を見てわかったのは、「清野菜名は老けるのがうまい」「ベースが昭和顔である」ということだった。昭和41年から始まったドラマは、とっくに平成に入っているが、ヘアバンドをしたユーコはとっても昭和モード。そして、24才の鈴愛が高校時代とほとんど変化していないのに対して、ユーコは同20代ながら「老け」を感じさせた。現実を映し出すユーコと夢見る夢子のままの鈴愛。その対比は重要だった。