中国青海省の中国共産党青海省党委機関紙「青海日報」のトップ、張偉・党委書記が「党の検閲に反対し、党の機密を暴露した」などとする「重大な党の規律違反」で解任されたことが明らかになった。地方の報道機関トップが解任されることは極めて異例。
習近平体制に入って、年々、社会派弁護士や言論機関への弾圧が強まっており、地方の報道機関にも波及しつつあることが浮き彫りになってきた。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RAF)」が報じた。
張氏の罪状について、党青海省規律検査委員会は「彼は非合法的に党の機密文書を持ち出して暴露するなどの規律違反を犯したほか、長い間、夫がいる女性と不適切な関係をもち続けた。さらに、党は彼の腐敗容疑について調べている」などと断じている。
内部文書では、張氏は習近平国家主席が最高指導者に就任した第18回党大会以降、党に反発する不謹慎な態度が強まっており、党の指導から逸脱する言動をとるようになったとしている。
張氏は青海省の党学校の教授兼研究員で、主に党理論を教えたり研究しており、同省党委機関誌の編集長も兼ねていたほどの論客だった。
その経験や学識を買われて、青海日報のトップに就任したが、習氏の登場以来、党の路線に強く反発し、党中央の通達に従わず、同紙は同省のニュース中心の紙面構成を重視していたという。